閑話休題

特に誰に話すわけでもない思考のアウトプット場

うさぎの物真似の話

うさぎの物真似ができるんですよー。と言ったらどんな反応が返ってくるだろうね。

へえ、やって見せて。というのが一般的だろうか。

まずうさぎの物真似とは何かという想像を膨らませるだろうか。

 

うさぎの物真似と言われて、頭の上に両掌を揃えて「ぴょんぴょん♪」などと言い出す女が存在するかどうかは分からないが、もしそのような女がいたら首を絞めて良い。それが許されるのは幼稚園児までだ。

 

「私うさぎさんなの。」などと言い出す女がいたらまずは即刻その場から逃げ出すが良い。そもそもそれは物真似ではない。自己紹介でしかない。

森進一氏が自分のことを「森進一なの。」と言ったところでただの自己紹介であり、コロッケ氏が「森進一なの。」と言うからこそ物真似として成立するわけだし。「森進一なの。」という言葉は森進一氏の物真似としては成立していないわけだが。

 

最近まで私は自分がうさぎの物真似ができると思っていたのだが、先日急に目が覚めて、これはうさぎの物真似ではない、と気付いた。

これはきっと誰にでもできる動きだと思うから是非皆さん鏡を用意してやってみてほしい。

まず、鼻の穴を膨らます。そして元に戻す。これを高速に繰り返す。

以上である。

先日まで私はこの一連の動きを、「うさぎが鼻をもひもひさせる物真似」と捉えていた。

そう言われると、どうだろう、理解してくれる人もいるだろうか。そう見えなくもないと思ってもらえるだろうか。

 

うさぎは鼻をもひもひさせる生き物だ。起きている間はずっともひもひさせているらしい。もひもひが止まっている時は眠っているサインらしい。いつぞやかに聞いた話なので正確ではないかもしれないが。

問題はこの「もひもひ」という動きなのだが、「もひもひ」とはなんだ。「もひもひ」という言葉は私の知っている限りではうさぎが鼻を動かす時の擬態語くらいにしか使われない言葉だと思うのだが、他にも使われるのだろうか。

 

誰がもひもひと言い出したのかは分からないが、このもひもひという言葉に別の意味を付け加えたい気持ちが私の中にある。

そう例えば、人間が鼻の穴を広げ、元に戻すという動作を高速に繰り返す、これに対して「もひもひ」という言葉を与えたい。

 

そうするとだ。私がやっていた今までのうさぎの物真似は、私がただ単にもひもひしているだけということになる。

すると、うさぎの物真似と称して私がもひもひすることは、周囲に対して「私うさぎさんなの。」と言っていることになってしまうわけですね。

 

うさぎのもひもひ ≒ 私のもひもひ

うさぎ ≒ 私

 

という図式です。これはいけない。これでは自己紹介だからね。

 

まあそんなわけで私にはうさぎの物真似はできないな、と、そういう結論に達したわけだ。

私はうさぎさんなのかもしれないがな。